愛は惜しみなく与う②
「関わるなって言われたから…家のことには口を出すなって言われてる。俺たちを守るために泉は言ってたんだ。烈火を守るために」
「ふーん。ほな1人で行くわ」
「だーかーらー!」
イラっとした朔が杏に詰め寄るが、1つも顔色を変えず、動じずに朔を見て杏は言いました
「総長の言葉鵜呑みにするようなあんたらちゃうかったやろ?泉のためにって、あたしを烈火に入れる時……あんたら自分らで泉のためを思ってあたしに声かけてくれたやろ?
それと今回何がちがうねん。ヤクザがなんや!家がなんや!!!関係ない。
あたしが東堂でも関係ないって言ってくれたやろ。それと一緒やろ。
考えても何も良い案が浮かばへんねんたら、時間の無駄や。動け!行動しろ。怒られたらそれでええやん。泉に嫌われるのが嫌?そんなん関係ない。泉のためを思ってした行動で、泉が怒るなら、それは泉が悪い。
でも…そんな男ちゃうやろ?泉は。」
出会って1番まもない杏に、ここまで諭されるなんて、思っても見ませんでした。