愛は惜しみなく与う②
「それで…どうやって泉の家に行くんだ?」
朔がゴホンと咳払いをして言った。
たしかに…泉の家にどうやっていくんだろう?車で前を通ったりした事しかなくて…
かなり家の前にも怖い顔した人がいた気がするけど
「タクシーで行ったら?」
たしかに。バイクなどでいくと目立つし、勘付かれて、泉に何かあっても嫌だし…
杏ちゃんの案通り、タクシーで向かうことになった。
泉がでていったのは、昨日の夕方18時頃。
そして今は朝の7時くらい
あんまり寝ていないから眠いけど、シャキッとしなきゃ。もしかしたら泉の父親に会うかもしれないんだから
一度だけ会ったことがある。なんだか怖いなぁと漠然とそう思っただけだけど…
その時の泉の鋭い目は忘れない
ある程度お腹が膨れてファミレスを出る。ちらりとその時見えた杏ちゃんの財布に、ゴールドのキラキラしたクレジットカードがあったのは、見なかったことにする