愛は惜しみなく与う②

ただ俺は…あの笑った顔が、嘘の笑顔だと気づいたから、印象に残っていた


間違えたと言ったが5階から上へ行こうとしてた?知り合いが上の階にいる?

もしかして杏ちゃん?

なんて考えてるとエレベーターは動き出し上へいく。
そしてドアの向こうの男も見えなくなりそうな時…


目があった



そして男は、口元に人差し指をあてて、笑った


「ま、、待て!」

開くボタンを押したが、そのままエレベータはもう上に動いている

「ちょ、どうしたん?」
「そうだよ。エレベーターで暴れるなよ。落ちるぞ」
「いや、落ちねーよ」


そんな緩い会話が聞こえる

でも違う

しーーっと内緒とでも言いたげに、、男は笑ってみせた


嫌な予感がする


「ごめん、降りていい?」

返事も聞かずに6階のボタンを押して出ようてするが、杏ちゃんが俺の腕を掴む


「理由は?急に何?」

「あとで言うから!すぐ部屋に行くからまってて」

半ば強引に杏ちゃんの手を振りほどき、エレベーターを次の階で降りた

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