愛は惜しみなく与う②

8階に戻り、部屋に入ると、ワイワイと作戦会議をしている4人がいた

言うべきか?
一方的に知ってる男が同じマンションに居るってしったら、杏ちゃんは怖がるかもしれない


でも…言わないといけない


「あ、あのさ」

「お!おかえりー!どないしたん?」

リビングで輪っかになって4人は座って話していた。スカートを履いてるのに、あぐらをかく杏ちゃんは、もう見慣れた姿だ


「急に出て行ってどうしたんだ?」

響は後ろを振り返り尋ねた。そうだ。大丈夫。みんな居るから。
一番に泉に相談したかったんだけどな。そうも言ってられない


「さっきのエレベーター出会った男の人、杏ちゃん見たことある?」

「え?さっきの5階に居た人?初めて見たけど?」


…やっぱり
記憶を遡っても思い出さないようだ

新は思い出したのか、あの人前にも会いましたね、といった


「前…杏ちゃんに烈火に入らないかと言いに来た日…泉がオートロック解除してくれないから、呼び出されたのに俺たち中に入れなくてさ」

そうあの日は、閉め出されていた
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