愛は惜しみなく与う②
「その時に、親切な男の人がオートロックを解除してくれて、中に入れてくれたんだ。それがあの人なんだけど」
朔も響も、あっ!と声を出した
思い出したよね
朔は、いい奴だったなっていってたし
「あの人ね、俺たちがエレベーターで8階のボタンを押したら、8階に住む女の子の友達なのかって聞かれたんだよ。1人っぽいから心配してたけど、こんなに友達いるなら安心だって…あの人そう俺たちにいったんだ」
俺の話を杏ちゃんは黙って聞いている。その表情は、さっきまでの笑顔はない
「その時ね、何か違和感を感じたんだけど、特に気にすることもないと思って何も言わなかった」
そう。あの時もっと気にしてればよかった
「笑う時にね、目が笑ってなかった。嘘の笑顔だったんだ。ただ愛想笑いが下手なのかと思ってたけど…今日杏ちゃんがあの人に反応しないから、なんだか胸騒ぎがして…あの人を追ってみたけど、どこにも居なかった」
あれはなんだか、杏ちゃんを監視しているような、そんな感じの目だった
うーーんと杏ちゃんは言いながら目を閉じた
朔も響も、あっ!と声を出した
思い出したよね
朔は、いい奴だったなっていってたし
「あの人ね、俺たちがエレベーターで8階のボタンを押したら、8階に住む女の子の友達なのかって聞かれたんだよ。1人っぽいから心配してたけど、こんなに友達いるなら安心だって…あの人そう俺たちにいったんだ」
俺の話を杏ちゃんは黙って聞いている。その表情は、さっきまでの笑顔はない
「その時ね、何か違和感を感じたんだけど、特に気にすることもないと思って何も言わなかった」
そう。あの時もっと気にしてればよかった
「笑う時にね、目が笑ってなかった。嘘の笑顔だったんだ。ただ愛想笑いが下手なのかと思ってたけど…今日杏ちゃんがあの人に反応しないから、なんだか胸騒ぎがして…あの人を追ってみたけど、どこにも居なかった」
あれはなんだか、杏ちゃんを監視しているような、そんな感じの目だった
うーーんと杏ちゃんは言いながら目を閉じた