愛は惜しみなく与う②

「ほな、それまで大人しくしとくし、このロープ解いてよ」

ずいっと手を男の顔の前に持っていくが、無視される


「さすがにそれ解いちゃマズイでしょ。あんた強いんでしょ?」

「強くない!気が強いだけ!」

「またまたー!倉庫に攻めてきた黒蛇をほとんど一人で撃退したって聞いたけど」


……くそ
バレてるんかいな


「で、あんたはあたしの見張り役ってこと?」

「そうだな。明日金城さんに引き渡したら、俺の役目は終わりだ」

「東と北で何があったん?」


諦めて聞きたいことを聞くことにした

男は部屋の冷蔵庫からお茶を取り出して、あたしの前においてくれた


「手縛られてるし飲めへんにゃけど」


「あ、忘れてたよ」


そう言ってコップにストローをさした。あくまでも、ロープは解いてくれへんってことね


「あんた、関西の人?ならあんまり事情知らないだろうけど、元々烈火と紅蓮は、敵対するチームだったんだ」


紅蓮

それがきっと、こいつらのチームの名前やろな


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