愛は惜しみなく与う②
えっと…

やばそうやな


「父親からです。蕪木組内で暴動が起きているらしく……泉の父上派と、若い人達で揉めているようです」


「は?なんだよそれ!」


ガタンと音を立てて朔は新に近づいた。

暴動ね…

泉の望む結果がわからへん。多分組が潰れるだけじゃあかんと思う。
だからこんな暴動、泉にとっても嫌なことやと思うし…
てか、泉のお父さんが狙われてるってことは、泉も危なくない?

……とりあえず、様子が分からへんから動きようもない。


「泉…」


心配そうに呟く響

やっぱ、作戦とかなしやな



「近くまで行くで。行ってから決めよう。ここで心配してる時間が無駄や」


あたしの言葉でパッとみんな立ち上がる。
泉の家はここから車で15分くらいらしい。タクシー呼んだりなんかしてると、30分後くらいには着けると思う


「新に案内任せるし。とりあえず大丈夫そうなところまで行って」


中に入れるかは怪しい
ゴタゴタに紛れて入ることもできるやろうけど、巻き込まれたらたまったもんやない。

それに今はあたし一人ちゃうねんし

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