愛は惜しみなく与う②
こんな今にも死にそうなお父さんやと思わへん!
『組長、起きて大丈夫ですか?』
「組長ちゃうわ!アホ!こんなボロボロの病人置いてどこ行ってんねん!すぐ戻れ!呼吸が不規則や。手遅れなる前に早く!」
あたしがそう怒鳴ると、一言、すぐ戻ります。そう言ってゴトウさんは電話を切った
お父さんの体を触る
冷えてる…
さっきの部屋からもうふをとってきて被せる
さすがにベッドに運ぶパワーはない
目を閉じないように話しかける
「泉と仲直りしたん?最後って自分で決めたらあかん!それになんや!ちゃんと病院行ってんの?薬みたけど…あんな一気に貰った薬じゃ、症状変わってるやろうし対応できひんで!」
お説教みたいになってしまう
ちがう
そんなんが言いたいんじゃなくて…
「おじさんの話するとき、泉切なそうな顔するねん。泉はおじさんのこと嫌ってないよ?お互いのことを知らなさすぎるだけや。2人がちょっと歩み寄れば……親子なんやし通じ合えるよ。だから……諦めんな!!!」
----