愛は惜しみなく与う②
違うんだ。それは口実で、本当は杏のことを…守れる情報が欲しかった
「スコーピオンって知ってるか?それについて、聞きたかった」
その単語を聞いて親父は少し顔色が変わる
「スコーピオン…お前と接点があるのか?」
「俺じゃない。チームの…仲間がスコーピオンと関わりがある」
なんで素直に話してるんだろうな。親父を目の前にして、変わってしまった親父をみて…
「…奴らと関わりがある者がチームにいるのは、お前のチームが潰れるぞ。残酷でもなんでも、チームを大事にしてるなら、早くその仲間を切れ」
ほらな
こうやって親父は判断する
そんなことわかってた。そんなことが聞きたいんじゃない。
「俺が聞いてるのは、どうしたらいいかじゃない。助言をしてほしいわけでもない。ただ…俺はその子を守りたいんだ。スコーピオンから」
そう
切り捨てるなんてしない
親父から情報を聞き出すまでは…絶対に折れない
「……女か?」
あの親父が、すこし笑ったような気がした