愛は惜しみなく与う②
溜まっていた者が爆発した
あぁ、俺はあの日のことがずっと胸に引っかかっていたんだ。


薬の噂が広まり

久しぶりに家に戻り


戻った瞬間から親父を罵った


組のことも罵った


あの時ゴトウは、なにが言いたげに声をあげたが、俺がそれを聞かなかった。



親父も…


落ち着いて聞けと…言ってきたのに


それを無視して、落ち着けるか!そう怒鳴って…俺はこんな組なんかいらない。潰れちまえ。




そう酷く罵った



本当は後悔していた。
あんなことを言うつもりじゃなかった。どうして薬に手を出すまで…誰にも相談ができなかったのかと。
仲良くはなったし、日頃話さなかったけど


それでも話してくれれば、薬なんて止めたのに



全く頼られてもいない、蚊帳の外のあの状態に俺は爆発したんだ



「薬はやってないんだな?」


目を閉じて尋ねる。本当はこう聞きたかった。やってないよな?そう聞きたかった。

なのにあの日、話も聞かずに罵った




「今はある意味薬漬けだけどな」



親父はそう笑った
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