愛は惜しみなく与う②

「お前は継がないって騒ぐし、別に無理矢理継がせようとは元から思ってなかった。まぁ反抗的な態度がむかついたから、監禁してでも継がせてやろうかと思ってたがな」


…親父


「お前に知られずに、死ぬかと思った」

「それはあんたが…親父が俺になにも言わなかったからだろ?言えよ。言えば家にも帰った」

「どうだか。急に俺が癌だって言ってお前素直に帰ってこれたか?帰れないだろ。だから白瀬とゴトウに言ったんだ。お前自ら、この家に帰って俺に会いに来る時……その時に、全て話せって。それまでは死んでも黙ってろってな」



俺が素直にこの話を聞けるために?

下手したら


知らない間に、親父が死んでいたかもしれないってことだ

しかも病気で


昔は、本当に昔は…撃たれろって思ったことは何回もあった。
でも今は大人になったのか、それは分からないが、親父の話すことが理解できる


昔は全て拒否してたのに


「子供に…こんなところ見られたくないだろ」


そう弱々しく親父が笑うもんだから、俺は目が熱くなる


「すまない。ちょっと…ゴトウ呼んでくる」

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