愛は惜しみなく与う②
俺は逃げた

いたたまれなくなった


「ゴトウ。親父を寝かせてやってくれ。無理して起きてたみたいだ」

「坊ちゃん…」


ゴトウは何も言わずに部屋へ入っていった

外では白瀬が待っていた


「若…久しぶりにうどんでも行きますか?」

「……お前の安月給で奢りな」


きついっす!そう笑う白瀬

そして白瀬から、今の組のことを、詳しく聞いた


合田兄弟が仕切り出している。
3年前、親父が1回目入院した時に、合田兄弟とその他数名に、組の指揮を任せたらしい。

理由は、新しいことをしてみたかったんだと。


自分が動けなくなった時


誰かを育てたかったらしい


だが思い知った。自分が大事にできなかった人達を、育てることなんてできないと


その時に、俺が浮かんだらしい


思ったより早く、表に出れなくなったが、息子の俺を育てることはできないと。
俺たちは…過去に色々ありすぎた


「後悔してましたよ。口では言いませんが。若が家を出てから、組長は、よく烈火のことを調べていました」


「まさか…」

親父が烈火を?気にもしてないと思った
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