愛は惜しみなく与う②
それが親ってもんですよ。まぁ俺子供いませんけど
そう白瀬は爆笑していた


「これは絶対に言うなって、組長に口止めされてるんですけど」

少し勿体ぶって白瀬は言う



「若に仕送りしてたの、ゴトウさんじゃありませんよ。若に仕送りしてたのは組長です。組長が、ゴトウさんに頼んで、ゴトウさんから入金があるようにしてたんです」

「は?あの金額を?」


まさかだった


ゴトウにさすがに心配だから受け取れと、毎月仕送りをしてもらっていた。
それに、朔と響と住んでいる家も、ゴトウ名義で借りていた


白瀬がいうに、それも親父がゴトウに頼んだらしい



俺の知ってる親父じゃない



いつか返そうと思って、毎月余ったお金はしっかりと貯金している。


それが親父がしてくれていたなんて


考えたこともなかった


「なぁ白瀬?」

「なんです?若」




「親父は……俺が思ってる程、酷いやつじゃないのか?」



素直な質問だった
俺の質問に白瀬は少し目を丸くして言う


「はい。組長は……若のことしっかり見てますよ」

……
なんだろうか

無性に杏に会いたい
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