愛は惜しみなく与う②
杏に、俺のもやもやしてる気持ちをバサッと切ってほしい

きっと杏なら


あの笑顔で、親父の誤解が解けてよかったなっと、笑ってくれる



「合田兄弟は?組に戻ってきたりしてるのか?」

「母屋にいつもいますよ。組長派とピリピリしていますが、何か起こることはなく…ただ…」


「ただ?なんだよ」




「明日、合田兄弟が仕切り出して…そう、組長が入院して3年目なんです。ちょうど。合田兄弟は、節目だと言っていたんで、何か起こると思います」


……俺はなんてタイミングで帰ってきたんだろうか


「若も狙われるかも」

「はぁ…最悪だな。合田兄弟は…親父を引き摺り下ろしに来るのか?」


きっとこのタイミングで、蕪木組を乗っ取ろうとしてるんだろう。

3年

親父が病気になってから、その期間
合田兄弟が好き勝手していたらしい。その勢いと、親父の衰退に…どんどん合田側に人がついたという


俺は本当に何も知らなかったんだな


「組長も、タイミングの悪いやつだって言ってました」

うるさいよ。俺だってこんな事になってるなら来なかったよ


でも
< 154 / 419 >

この作品をシェア

pagetop