愛は惜しみなく与う②
その仕草を見ていると自然と手が動いて、杏の頬に手を添えていた
ん?と言う顔をする杏
このままいろいろな気持ちをぶつけたくなる。でも……それは杏を困らせるだけだ
「ありがとう。本当に、杏がいたから頑張れたんだ」
1番伝えたかったこと
「へへ。ほなよかった。病院から連絡あったら一緒にお見舞い行こう。あたしもついて行くし」
あたし最初お父さんやって気付かへんかったけど、よく見ると似てるなぁ!
杏はそう言った。
昔はよく言われていた。似てるって
俺はそれが嫌だった
でも杏に言われると、嫌な気もしない
「どうや?全部吐き出せた?」
そう聞く杏に頷いた
すっきりした。ウジウジとした気持ちを全部言葉にできた。
親父にももう一度しっかり話せると思う
あとは心配かけたあいつらにも、話さなければ。
「杏、下に行こう。みんな待ってる」
杏の手を引き離れを出る
外を見ると殺伐としていた
合田側の人間は、ひとかたまりにされて、親父側の組員が囲んでいた