愛は惜しみなく与う②
新は、俺に言った
『パンツを見たら、動揺するとか…言われるんじゃないですか?』
思い出した
あの烈火の倉庫での手合せ
あの時のことを。
絶対あのニヤニヤした杏の顔は、それを言うつもりだ。ハザマさんにそんなこと伝わったら、絶対ゴトウにも伝わる。
そしたら親父にも伝わる
それだけは避けたい
後ろから杏の口を押さえて、ひょいと持ち上げて引き取る
ジタバタと暴れる杏を力で押さえ込む
もうこれは、強制送還だ
「おい、泉!女の子には優しくだぞー!」
「うるさい。日頃は優しくしてるよ」
ハザマさんの野次が飛び、周りは笑う
杏はジタバタしているが、変な体勢で持ち上げたから、あまり動けずにいる
朔達のところに戻り杏を解放する
「馬鹿力か!」
ふんふん言っている杏の頭に手をおく
はいはい。かわいいな
「ちょっと、大人しくしとけ。疲れてんだろ。みんなと少し待っててくれ」
えーーと言う顔をしたが、すぐに切り替えて、杏はわかった!!と素直に言う
なんだかペット飼ってる気分