愛は惜しみなく与う②

「新!応接間に…全員連れてってくれ。話したら行くから」


「わかりました」

応接間ぐちゃぐちゃじゃないのか?確認してなかった。そう思った時、白瀬が言った



「若の部屋…そのまま残ってますよ」



はぁ
今そんなこと言わないでくれ。さっきの杏に縋った気持ちが戻ってきそうになるから。

もう俺の部屋はないと思ってたから



杏がにんまりしている


「では…泉の部屋に行きますね」

「待ってるからな!」


ふぅ




「よしゃ!思春期の男子の部屋がそのままやってさ!!エロ本探そ!」



!?!
誰が言ったと思う?
今の発言が女の口から出るとはな…

朔が言うならまだしも…

杏が率先して探すぞー!とノリノリ
疲れる

ゲラゲラ笑う組員

エロ本



あったかな…


5人が俺の部屋に向かい、ようやく静かになる


いや、本当はもっとシリアスな感じだったんだ。最後に杏もナイフ向けられてたし。

まぁ気付いてなかったみたいだけど


庭はボロボロ。手前の廊下なんて壁に穴も空いてる

それなりに悲惨な状態なのに


ほっこりしたこの空気はなんだろうか
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