愛は惜しみなく与う②
「泉。久しぶりだな」
「ハザマさん。お久しぶりです」
白瀬も近くに来る
「ちょっと、若!あの子ですか?若の好きな子!」
はぁ…また話が進まない原因のやつが来た
「あの嬢ちゃん、お前の女か?いいじゃねーか。笑えるくらい明るい子だな」
いやいや…ハザマさんまで
今はその話じゃないでしょ
「またそれは、後で。今はとりあえず、親父もゴトウも居ないから、そう言う時は誰が仕切ってるんだ?」
もう数年、この組の人たちに触れていない。
だからよく分からない
「まぁわりとこいつらに好きにさせてたからな」
ハザマさんは合田兄弟をチラリと見る
ハザマさんが居れば、合田兄弟も、こんなに好き放題しなさそうなのに…
そんな俺の表情を読み取ったのか、ハザマさんはタバコに火をつけて笑った
「いや、俺は、若い嫁さんもらったのよ!嫁も可愛いんだけど、赤ん坊が可愛くてさ!ほとんど休みもらってんだわ!」
本当に適当だな、この人
この人がいれば、組もパリッとするのに