愛は惜しみなく与う②
東の紅蓮
北の烈火
今の時代よりも前から、少しいがみ合っていた
泉や金城さんが総長として位置する前よりも。
金城さんの父親は紅蓮の組のトップだ
金城さんは、子供の喧嘩に口を挟む父親が嫌いだった
何度も言い合いをしていたのを見ている
俺は武闘派ではない。そして頭脳派でもない。
ただ金城さんの幼馴染だ
昔から一緒にいて、世話してもらって、憧れてた
そんな金城さんは、北の烈火の総長になった、泉に対抗意識を燃やしていた
自分と似た環境にいたから
泉の父親もまた、ヤクザの組長だった。
そして息子はチームを作り、北のトップに君臨していた
しかし劣等感を感じていた
それは泉は、家とは関係のないチームの総長だったからだ
金城さんは、紅蓮の組をバックに従える、紅蓮というチームしか作れなかった
だから金城さんは、家に縛られずに、自分のチームを持つ泉を羨ましく思うも、劣等感を感じ、憤りのない気持ちをぶつけていた
でもその頃はよかった
ガキの喧嘩だった