愛は惜しみなく与う②

東の紅蓮
北の烈火

今の時代よりも前から、少しいがみ合っていた

泉や金城さんが総長として位置する前よりも。

金城さんの父親は紅蓮の組のトップだ
金城さんは、子供の喧嘩に口を挟む父親が嫌いだった

何度も言い合いをしていたのを見ている


俺は武闘派ではない。そして頭脳派でもない。
ただ金城さんの幼馴染だ

昔から一緒にいて、世話してもらって、憧れてた



そんな金城さんは、北の烈火の総長になった、泉に対抗意識を燃やしていた


自分と似た環境にいたから


泉の父親もまた、ヤクザの組長だった。
そして息子はチームを作り、北のトップに君臨していた



しかし劣等感を感じていた



それは泉は、家とは関係のないチームの総長だったからだ


金城さんは、紅蓮の組をバックに従える、紅蓮というチームしか作れなかった


だから金城さんは、家に縛られずに、自分のチームを持つ泉を羨ましく思うも、劣等感を感じ、憤りのない気持ちをぶつけていた



でもその頃はよかった


ガキの喧嘩だった
< 19 / 419 >

この作品をシェア

pagetop