愛は惜しみなく与う②
「え?」

「え?ちゃうわ。助けてーーって捨てられた犬みたいな顔してたで?さすがにほっとかへんわ。」


あたしがそういうと、紗羅ちゃんは笑った


「何わろてんの?」

「いや、なんだろ。初めて会ったのに、こんな面倒みてくれて、捨てられた犬だなんて言われると思わなかったから」


綺麗な顔がくしゃっとなる。
ええやん


「笑ってる方が可愛いで」


あたしがそういうと紗羅ちゃんはまた笑う
よう笑う子やん

「杏ちゃんが、彼氏だったらいいのに!男前すぎ!」

「よー言われる。あたしも男やったら多分モテモテな自信あるわ」

「ふふふ。杏ちゃん可愛いのに」

「どこが!滲み出るオヤジ感が隠せへんわ」

「関西出身なの?」

「せやで?紗羅ちゃんは?引っ越してきたんやろ?」

「あたしは隣の県だから、あんまり変わってないよ」

「で?何歳?」

「17だよ?」

「ほな同い年やな」


ま、今年で19やけど、学年は高2やし同い年や。
ちょっと親近感が湧いた。

着替えて紗羅ちゃんを裏口からだして、駅の方へ歩く
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