愛は惜しみなく与う②

「杏ちゃんは、何か格闘技でもやってるの?」

「ん?なんで?」

「だって、さっき…あの人があたしを殴ろうとした手を止めてくれたし…」

「格闘技か…まぁそんな感じやな。反射神経はええねん」


すごいなー!あたしも杏ちゃんくらい強ければ、こんな事にならなかったかな。そう呟く

まぁ確かに自分の身は守れるようになるかもしれへん


でも


「人を傷つけることもできてしまう。変なやつの恨みも買いやすい。普通に越したことはないよ」


そう。強くても、格闘技してても
自分の身を守れば、その時に人を傷つける。
それが大丈夫じゃない人もいる

あたしみたいに、どんどん喧嘩売られることもあるかもしれへんし



「平和が1番やなぁ」



紗羅ちゃんの隣で歩く
ふと気づいた


あたし、こっち来てから、女の子と外歩いたん初めてちゃう????
お、女の子の知り合いできた!!


「どうしたの?ガッツポーズなんかして」

「え?あ、行動に出てた。気にせんといて」


今思えば、関西でも野郎どもにかこまれて、こっちきても同じや
こうやって女の子と並んで歩くのが久しぶり!
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