愛は惜しみなく与う②
ふんふん
学校帰りのお友達とかに見えるんかなー
なんてウキウキしてたら、後をつけてくる人の気配に気づく
いつからやろ?あの大通りすぎてからかな
「杏ちゃんは、家はこの辺なの?」
「いや?商店街抜けたとこらへんかな」
「え、やだ!!逆方向じゃない!ごめんなさい」
「なんでよ。別にええよ。それよりも、ちょっと走ってええ?」
え??と驚く紗羅ちゃん。
まぁびっくりするよな?これがさっきの紗羅ちゃんの元カレか、あたしのこと狙ってるんか分からんけど
「ちょっと付き合って」
紗羅ちゃんの腕を引いて走る
紗羅ちゃんの足元はスニーカー。走りにくいことは無いはずや
無いはずやねんけど
「足遅ない?」
引っ張ってんのに全然進まへん
いや、まぁええねんで?運動苦手な子も世の中にはおる。でも
「あまりにも遅い」
早歩きくらいのスピードでしか進まへん。これじゃ撒けへんかも?
「あ、杏ちゃんが早いんだよ、はぁはぁ。待って、もう息が…」
20メートルくらいやで?走ったの…
しゃーないなぁ
「ちょっとここ、隠れてて」