愛は惜しみなく与う②
駅前の住宅地
細い路地の方に紗羅ちゃんを押し込む
「え?なんで?」
「ええから。声かけるまで、じっとしてて」
さてさて、紗羅ちゃん暴力元カレか?それとも、黒蛇か…
走って住宅地に入ってきたのは、男2人
紗羅ちゃんの元カレではないな?
黒蛇かな…
住宅地やし静かにせな。
そう思ってると、男2人は大きな声を出した
「俺たちは帝王だ!!!お前の首をもらいにきた!」
「………はぁ?」
どこの戦国武将やねん。頭悪そう…
帝王ってあれやんな?北のドベタのチームやんな?弱いのに帝王って名前が、少しかわいそう
「お前は、れっ…ッ!!!」
烈火の女だろっとでも言うつもりやったんやろうけど、あまりにも声がでかい。
ここ住宅地!!!
声を出す前に、男の喉にチョップする
「大丈夫か!?しっかりしろ!」
こいつら演劇でもしてるん?すべての行動が大袈裟すぎる。笑ってまいそうになったわ
「ぐぇぇ…もう喋れない」
「喋れてるけどな」
一応ツッコんでおく。1人がやられて、意気消沈したのか、大人しくなる