愛は惜しみなく与う②
泉はドライアイが理由で、あまりバイクには乗らない
ヤンキーらしからぬ理由や
「お迎えご苦労!」
ちょっと調子乗って言ってみたけど、そんなあたしをスルーして、脇に手を突っ込んでバイクの後ろに乗せる
「じ、自分で乗れるわ!恥ずかしい」
そんなことされると思っておらず、突然の事でてんぱる。いっぱい人おるのに
「少しくらい恥ずかしがって静かな方がいいよ」
そう笑って、長い足でヒョイとバイクに跨り、泉はバイクを出した
「なーー暑い」
「文句言うな」
いつも膝掛けをかけられる。でももう夏が近い。膝掛けなんかしてたら暑いわ
ってか、不良グループの総長さんのバイクに、膝掛け積んであるって考えたら面白くない?
泉の背中に顔を当てて笑った
おもしろ
「なんだ?」
「別に?怒ってる?」
「……いや、いいよ。すぐ俺に電話してきたろ?」
「うん。すぐした」
即答すると、ならいい。そう言って泉は前を向いた
泉の後ろはなんだかとても、心地がいい
寝てしまいそうになるわ