愛は惜しみなく与う②

「お二人、一生懸命探してましたよ?」

慧と朔をみて、目がハートになっている店員さんが、あたしに話しかけてきた。
一生懸命選んだからええってもんでもない


自分で探そう

言い合いをしている2人を置いて、店内をくるりと回る

派手なんもいややし、地味すぎると、貧相に見えるし…


昔きてたやつはどんなんやったなー



最近の水着は可愛いの多いな。なんて呑気に店を見て回っていたら、2人が来る


「もっかい選び直すからまってて!」

「次はどっちか決めろよな!」

「ええよ。自分で探すし…」


2人を店の外へ放り出そうと背中を押す

わーわー言う2人。ようこんな水着屋さんで男が騒げるわ!あたしが恥ずかしなってきた!


うるさい2人に抵抗されながらも、店から追い出すその時




前から、すっと泉が現れた

「ええとこに来た。この2人煩いし外放り出しといて!」


泉にバトンタッチしようとしたら、泉はあたしに何かを押し付ける

何?そう思って泉の手を見ると、そこには水着のハンガーが握られていた


えっと?




「杏は、これが似合う」


< 236 / 419 >

この作品をシェア

pagetop