愛は惜しみなく与う②
「で?お前は何逃げようとしてたんだ?」
「逃げたらあかんとか、言われてへんしな?」
少し動く首を後ろに向けて、金城を見る
金城さんとか言ってたけど!!!
こいつなんて呼び捨てで十分じゃ
ガタイの良い男だ。力も馬鹿みたいに強いし、一ミリも腕が動かせない
「…反抗的な目だな。悲鳴あげたいくらい痛いだろ?一本くらい肩外しとくか?」
そう言われて左の腕がより後ろに引っ張られて、本当に肩の関節が悲鳴をあげた
い、たすぎ
強く拳を握りすぎて爪が手のひらに食い込む
「うっ…」
これ以上されたらほんまに…やばいかも
「おい、金城さん、やめろよ」
目の前の悠馬は動いて、金城さんの手を掴む
少し力がゆるむが、痛いのに変わりはない
「…悠馬、お前俺の邪魔するの?」
「ちがう。そうじゃないけど…こんなことするお前見たくないよ…」
悠馬がそう言った一瞬
金城の力がゆるむ
今や!
片膝をついたまま、後ろ足で金城を思いっきり蹴飛ばす
そんなに飛んで行った気はせんけど、ここから抜け出すくらいの時間は取れる