愛は惜しみなく与う②
バランスを崩し近くの壁にぶつかる金城

あたしは解放された腕を押さえる


右は大丈夫やけど、左の肩の関節がちょっとおかしい

解放されたにもかかわらず、左肩は前にしようとすると痛み、何かひっかかるような感覚

痛いなぁ、ほんま!!


「…あんた、そうか。泉の女ってだけじゃなく、烈火に入った女ってことか」


どうりで冷静な訳だ
そう呟く

えらい早々にばれてしもたけど、関係ない。


本気でやらな、やられる



「金城さん…この子、泉の彼女じゃないって言ってますし…それにこんな人質みたいなことしなくても」


「黙れよ悠馬。彼女じゃなくても泉が初めてそばに置いた女だ。それだけで十分だろ」


……右手で左肩を掴む

関節がやっぱりおかしい


「どうした?左は外れたか?」

「アホやな。あたし利き手が右やから、右やっとくべきやったな」


強がってみたものの、片手の力で外れた関節が戻るわけではない


悠馬は完璧に落ち込んだように下を向く

部屋の入り口は1つ


その前に立つ金城


結構ヤバめ?
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