愛は惜しみなく与う②
泉が抱えて帰ってきたってなに?
ちょっと…迷惑かけてるやん!
泉の元へ行き身体をゆする
「泉ごめん!寝てた!こんな所で寝てたら風邪ひくしベッド行って?」
大きな身体はソファから足がはみでている
身体も痛くなるやん…
横腹あたりをトントンと叩いていると、パチリと泉の目が開いた
「あ、杏?なんで俺の部屋に?」
「へ?」
寝ぼけているのかキョロキョロしたあとに、我に返った泉が少し恥ずかしそうに、なんでもないと呟いた
「ごめん。あたし途中で寝たん?」
「え?あぁ…なんか家の近くまで行ったくらいで、杏の力がなくなって…信号で後ろ振り向いたら、俺にもたれかかって寝てた」
なんとまぁ…
ご迷惑おかけしました…。
「危ないから…バイク止めて、公園で杏が起きるまで待ってたんだけど」
「そんなんええよ!叩き起こして!そういう時は!」
泉の肩をガシガシと掴んで訴える
なんでそこで目が覚めるまで待つのよ!しばいてでも起こして!
「……気持ちよさそうに寝てたから?」
何故か疑問形で答える泉