愛は惜しみなく与う②

脱衣所の扉をバンと閉めてやった!
なんやあいつ!めちゃニコニコしとったで!

扉ごしにでも泉が笑ってるのが分かる

からかいよったな!?

入る?って聞かれて、入ると答えたけど、後で入るって意味や!一緒には入らへん!!

少ししてからシャワーの音が聞こえる



今日は、なんか、泉にドキっとさせられっぱなしな気がする。
水着の時と言い、いまと言い……

最近なんか、フェロモン出してきよる!


ふん!


男のくせに、色気を出すな!
あたしに分けてくれ!

ソファにドカっと座ってテレビのリモコンを操作する

この時間は面白いテレビもやってへん


あーーあ
明日テストかぁ
テストってことは弁当いらへんのちゃう?

朔、弁当…ちゃうちゃう
勉強したんかなー

ふぁああ

眠た



そしてまた再び眠りに落ちる





「……無防備すぎ」


そうため息まじりに呟いた泉が、あたしを部屋まで運んでくれたのに気づいたのは、次の日の朝のことだった



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