愛は惜しみなく与う②

「「びっくりした!!」」

響と声がハモリ、扉をみると、脚で扉を開けたであろう杏が立っていた


「みて??」


大きな声で杏は両手を上にかざしている

何してんだ?

屋上の風に杏のスカートは揺られて、ひらひらと波打つ


「なによ!見てよ!」


動かない俺たちに、ムっとして杏は近づいてきた。両手を広げて、手の甲を上にして…
杏はほれほれ!と言いながらこっちへ来る


「杏?どうしたの?」


響が先に杏の元へ行く
そして、「え?」と声を出した

なんだなんだと気になって近づいてみると、杏の指がカラフルになっていた

いやいや、意味わかんねーだろ?


突然屋上にきて、カラフルな指をみせられて、俺たちはどう反応するのが正しいんだ?



「ちょっと、ちゃんと見てよ!」



指がカラフルというか、これはネイルって言うのか?なんか爪がカラフルになっている。

ちゃんと見たけど



「配色きたねーな」



そう。可愛いネイルでも綺麗なネイルでもなく、なんか単色でただ塗っただけのネイル。
そして配色も悪い
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