愛は惜しみなく与う②
諦めない
「なーなー!お見舞いなにがええかな?」
あたしはいま、スーパーの果物売り場にいる。
今から泉のお父さんのお見舞いやねんけど、何持って行ったらええか、考えてなくて今必死。
「何もいらないだろ。親父が何好きか知らねーし」
「もう!なんか覚えてるやろ?」
さっきから泉は手伝ってくれないから、無難に林檎と桃を買って行く
病院は車で20分くらいの場所にある。
容態は詳しくは聞いてないけど、ステージ4と言われているのであれば、身体がいいことはない。
むしろしんどいと思う
ただ手術がしっかりと受けれるのかは分からない
あとは泉のお父さんの気合やと思う
「今日来てくれてありがとう」
「ん?まだ病院ついてへんで?」
早いうちにありがとうとお礼を言う泉。片手でハンドルを握りもう片方の手は窓の外
爽やかやなぁ
「杏?その爪どうした?」
「ええやろ、これ!」
「……俺、親指?」
クスリと泉は笑った。さすがすぐ気づいてくれた!まぁこんな変な色な組み合わせ、普通ならせんからな