愛は惜しみなく与う②

「なんで急にそんな爪に?」

「なんかな?紗羅ちゃん、将来ネイリストなりたいらしくてさ!簡単な道具やったら持ち歩いてるねんてさ!」

そう
今日紗羅ちゃんが登校してきて、たくさん話した。テスト終わって、紗羅ちゃんの鞄がデカすぎるのに気づいて、理由聞いてみたら、ネイルの道具が入ってた。

あたしにしてくれようとしてたらしい。


やからしてもろた!


「……あの女も、まさかこんな色塗らされるとは思わなかっただろうな」

「こんな色って…あたしは結構お気に入りやけど?」


せっかく指は5本や!なんかパッとみんなの顔が浮かんだから、目立つ頭の色にしといた。

たしかに紗羅ちゃんも、え?この色でいいの?みたいに引いてたけど。


てゆうか…


「あの女って言い方やめーや!長谷川さんとかさ?名前じゃなくても言い方あるやろ」

「別に…話さないからいい」


はぁ。ほんまあたしが親なら泣くわ。もっと他人に興味を持ってくれ

あ、その親に会いに行くんやった、今から

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