愛は惜しみなく与う②
ま、嫌われてるよりええけどさ?
「だって若が、家に女の子を連れて帰ってくるなんて…もう組中みんながお祝いモードになりましたよ」
「なんの祝い?まぁ泉って、女友達おらなさそーやもんな。そりゃびっくりするか」
うんうん。泉は響とは違った女嫌いやと思う。
いや、嫌いってか興味ないんやろうな。
あんなにきゃーきゃー言われてるのに
病院の前でも看護師さんらしき人が、チラチラと泉のことを見ていた。
目を引くのは分かるけど。
「白瀬。杏は、喧嘩以外は、鈍すぎるから伝わってないぞ」
「え??そーなんすか?若も大変ですね」
「鈍ないわ!ぼーっとしてへんかったら、誰よりも気配よむん上手いわ!」
失礼な。鈍いとか言われたことない!
勘も鋭いわ!!
なぜか、やれやれと言ったジェスチャーを泉がして、白瀬さんが笑っていた
「はぁ。んでまだか?病室!」
えらい歩いてる気がする。一応組長ということで、離れた病棟にいるらしい。
病院なんて滅多にこないから、キョロキョロしながら歩いていると、ある部屋で立ち止まる