愛は惜しみなく与う②
こんな状況で、こんなに強く冷静な女の子がいるなんて


どんどん窓際に追い詰められる女は、右手で左肩を押さえて険しい顔をしている

脱臼したか?

左腕はプランとなり、必死に女は肩を押さえていた


そんな様子をみても、顔色ひとつ変えない


女は薬のことを言うと、俺が金城さんに睨まれた。
威圧感で体が震えて涙が出る


あの優しかった金城さんはどこへ…


もうどうにでもなれと、諦めそうになったとき、女は金城さんに向かって暴言を吐き出した


頭がおかしいなどと言う


怖くて動けないのに、彼女は違うのか?俺から標的を自分に変えるかのように、次々煽る


案の定金城さんは、俺なんて居ないもののように目をそらし、女を睨む


そして薬はいいぞ。そう言った


それに対して、薬は弱いものがする。そうはっきり女は言った


次に金城さんは女の胸ぐらに手を伸ばす


が、それをヒョイとかわす


「まぁまぁ落ち着いて?あんたの目的は泉を苦しめたいってことでいいの?」


女の問いかけに金城さんは笑った。そうだ。その通りだと
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