愛は惜しみなく与う②
「まぁあたしを今痛めつけてもええけど、目の前でする方が泉は嫌がる思うで?」
…自分でなんて言う提案してるんだと思ったけど、女の表情は少し焦りの表情
とりあえずこの場でも凌ぎたいのだろう
俺もできたら今この場では…この子に手を出さないで欲しい。
「…それもそうだな?お前頭いいな」
金城さんはそう笑った
女は俺に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声でつぶやいた
「アホでよかった」と
ひやひやさせる。聞こえたらどうすんだよ
本当にいつもと様子の違う金城さんは、完璧に薬がキマっていた
フラッと近くの椅子に腰をかける
女はその様子をみて少し安堵のため息
俺も体の緊張が少し解ける
少しこれで落ち着くのか?でもこの後どうする?なんて考えてた
俺はきっと、この女のことを見くびっていた
いや、すごいとは思った
根性もあって度胸もあって…喧嘩も強い
でも、それ以上にこの女は、あらゆる修羅場をくぐってきたんだろうと痛感させられた
金城さんが欠伸をしたその瞬間、女は突然窓際の壁に突進した