愛は惜しみなく与う②
ゴキっと鈍い音がする
まさかとは思ったけど、そのまさか
自分の力では外れた肩を戻せないとわかり、壁にぶつけて肩をはめたのだ
とても鈍い音とともに、女の「いったー!」と言う声がした
あまりの光景に口は開いたまま
金城さんも少し目を大きく開く
その時、冷静に、全てを見ていたのは女ただ1人だった
「じゃ、携帯借りてくで」
左肩をくるりと一回まわし女は俺と目を合わせた
どう言うことだ?そう言う前に、女は窓際の机の上に飛び乗り、体を小さく丸めて
ガラスを突き破り窓の外へ落ちていく
「え?」
ここ、3階だぞ?!
パッと窓の外を見る
ありえないだろ。
逃げるためとはいえ…行動がやばすぎる
窓の外には、木にぶらさがる女
自分の来ていた制服のブレザーを両手に持ち、輪っかにして木に引っ掛けていた
俺はアクション映画でも見てるのか?そんな気持ちに陥ったが、ものすごい音がなり、現実に引き戻される
金城さんが近くの机を窓の外へ放り投げた
女がいる場所へ