愛は惜しみなく与う②
志木の想い
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「え?蕪木組の組長を東堂の病院に送る??」


それは突然だった。
杏から連絡が来て何事かと思ったら、急にこんなことを言う。

杏が突拍子もないことを言うのには慣れているが、今回も驚かされる


「いったい、何があってどうなったら、そうなるんですか」


目眩がしそうになるが、堪える

だってどんな時も杏は、一生懸命だから。
訳のわからないことを言っても、彼女なりに理由があるから


「説明して?」


俺は与えれるものは、すべて与えたいと思っている


………


「ってことは、杏様の独断ってことですね?」

『せやけど!頭の固い奴らを説得してなんとかするから!ドクターにゆうといて?部屋空けてって!』

「はぁ…まぁ幸いにも東堂の者でドクターにかかりつけになってる者は、数名です。手は空くでしょう。ただ…杏様からの頼みとは言えないんです。ドクターがOKを出すかどうか…」


『そこをなんとかするのが、志木の力の見せ所やろ?』


「はぁ……わかりましたよ」

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