愛は惜しみなく与う②

ふん。なぜ私が、蕪木組の組長の世話を…
ましてや現在、杏様と共に暮らしている小僧の父親の面倒なんて…はぁ


文句を言っても仕方がない

彼女が頼りにしてるのは、他でもなく、私だから



「わたしから話してみます」



そう。どんな事でも叶えてあげたい

電話越しでありがとうと笑ってる杏様の顔が浮かぶ

禁断症状が出るよ
こんだけ離れていると

杏様に触れたい


はぁ


くっそ


これで向こうの男とくっついたりしたら、私はそいつの事殴り飛ばしてしまいそうです

やってらんねー


『志木?いつもありがとうな!』

「杏様のためなら、なんでも」


本当にそう思ってるんですよ?
だからさ

いつも私は思っている


杏様が、自分を連れてどこか遠くへ逃げてくれと言うのなら


喜んでそうする


何からでも守ってやる。東堂を敵に回そうが関係ない。
杏様が望むなら、なんでもしてやれる。

ドロドロに甘やかしてやりたい


そして私なしでは、生きていけないようにしてしまいたい



ただ、杏様なしで生きれないのは、私の方だ
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