愛は惜しみなく与う②
どうしてこんなに苦しいのか
私がこんなに苦しいなら、杏様はもっと苦しいはず。
髪を切って、鈴様と同じ髪の長さにしたあの日から、杏様はどこか私とも距離を取るようになった
髪の色まで変えるという杏様を、それだけはと、必死で俺が止めたのを覚えている。
杏様のあのキラキラ光る髪が好きだった
全員が思ってる。ここの東堂の使用人全員が、いなくなってしまった杏様を偲んで、鈴が金髪にしたんだと
全員思ってる
違うって叫びたい
ここにいるのは杏だって
でもそれができないから
しかるべき日のために、ただ動こう
杏様、独断で動く私をお許しください
そう
杏様に嫌われても、私にはやるべき事がある
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