愛は惜しみなく与う②
「きっと杏がいたら、虐めもなかっただろうな」
「ふふ。私も今思ってました。きっと蹴散らしてくれましたね。私たちにはできなかった」
「こんだけ今も大切にしてるんだ。分かってくれてるだろう」
なんか飲むか?と泉は立ち上がり棚の下の冷蔵庫を開ける
なかにはお水と、ローション
「はぁ、ここラブホなの忘れてた」
頭をガシャガシャとして、ドカンと再びソファに座る泉
「で、何があった?」
「…え?」
「え、じゃねーだろ。情報収集、なんかあったろ。全部順番に話してくれ」
そうだ
とても大事なことが残ってました。
20分と言った杏は、もう少し寝ておいてもらう。
バイクに乗って会話していた話から泉に全て伝える。
こういう時、私の記憶力は本当に自分でも役に立つと思います。
ほとんど一言一句違わず覚えている
「とりあえず猫田さんに、蕪木組のことを聞いたら、お父上が何か危ないことを調べてるって言われましたよ?何かありましたか?」
そう訊ねると、泉は、はっとして杏を振り返る。
やっぱり…