愛は惜しみなく与う②

暗い地下の中で
目だけが赤く光っている


「こいつが…サトル」


静かに泉は呟いたが、底知れぬ怒りを感じました。

この人が杏の妹を…
杏の目の前で…


「ほんと、胸糞悪い話ですね」


想像しただけでも吐き気がする。
そして杏が情報屋の女に手渡された写真。

そこに写る杏をみて、泉は目を閉じた


一言で言えばショック


その言葉が正しいかもしれません


「好きな女のこんな顔…二度とみたくない」


私の手から泉は写真を奪い取って、ライターで燃やした



「こんなもの残さなくていい」




そう、ですね。


部屋に何かが燃えた臭いがふわりと立ち込めたとき、杏が目を覚ました


「わぁ!!めちゃ寝た気がする!起こしてってゆうたやん!!」


飛び起きて第一声。
元気そうで、よかったです



「ごめんなぁ?あたし寝てたしカラオケできひんかったんやろ?歌ってくれてええで?」


……?

カラオケ?

あぁ


そういえば、杏はカラオケみたいなもんだと思ってたんですね。忘れてました
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