愛は惜しみなく与う②
「びっくりした!背後立たんといてよ!」
びちょびちょの髪のままの泉は、少し焦ったように「お願いだから、詳しく説明するな」と小声で言う
???なに?意味がわからん
首を傾げて泉をみていると、耳から離しているのに、電話から声が聞こえる
『杏様?あなた今どこです?!連れ込まれたんですか?!今すぐ殴り飛ばしてでも出なさい』
「え、なんで志木怒ってんの」
一人でプチパニックになっていると、泉はあたしの携帯に手を伸ばし、電話を切った
あたし達をみていた新も、なぜかホッとした顔
「なんで切るん?」
「……電話相手に殺されそうだし?」
なんで疑問形やねん
まぁ話す内容は終わってたからええけど。
最後なんか、志木めちゃ怒っとったし…
そしてすぐにまた志木から電話がくるが、泉に携帯は取られたままで、スッとマナーモードにしやがった
「キラキラした、ミラーボールがついてるカラオケだって…LINEしとけ」
はぁ?なに?
ポーイとこちらへ携帯を投げてくる
新もお願いしますと言う始末