愛は惜しみなく与う②
(((野郎の会話)))


「杏、お風呂入りました?」

「シャワーの音が聞こえるから、大丈夫」


確認して、はぁぁぁと大きな溜息をついて、男二人はドカリとソファに座る


「杏って天然なんですか?」

「…天然ではなくて、鈍いだけ?」

「泉、杏の事好きなんでしょ?耐えれます?」

少し馬鹿にしたように笑う新に、泉は鋭い視線を向ける

「ラブホテルでお互いシャワー浴びて……準備は完璧っぽいですけど」

「お前なぁ…杏見てみろよ!カラオケだと思ってんだぞ。理性の前にもう、こっちが混乱する」

「ふむ…別に私、先に一人で帰りますよ?」

「やめろ。変な気を利かすな」

「でも…こんな状況、今後そうは訪れませんよ?」


少し黙って脳内葛藤


「いや、ダメだ。ここはもう、ラブホじゃない。カラオケだ、カラオケ」


そう自分に言い聞かせて理性を保つ


「そりゃ…男としたら好きな女性とこう言うところに居るってだけで、興奮しますよね」


「おい、なんかムカつくからやめろ」
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