愛は惜しみなく与う②

「俺がそんなに恋愛器用に見えるか?」

「まぁ、そう言われれば、言い返せませんね」

クスと二人で笑った時

風呂場から大きな声がする



「うっわーーーー!」


ビクッと体を震わせて声のする方を見る
なんだなんだとソワソワする2人だが、風呂場なもので、どうした!と見に行くこともできない


ドアの入り口に近づいて、どうかしたかと声をかけると


「風呂が虹色に光ってる!!」


と興奮気味の杏の声を聞いて、2人が少し恥ずかしくなっていた

ラブホテルの風呂は、ジャグジーに、浴槽にライトがついていて、虹色に変化できる仕様になっていた


「なんかもはや、そういうあざとい作戦に見えてきました」

「…あざとい作戦なら、俺は乗るけど、アレは絶対ちがう」

「杏って、薔薇の総長だよね」

「ん?あぁ」

「じゃあやっぱり、処女説は無いですね」


泉の耳元でそう話す新の背中を、思いっきり叩く泉

不良の頭ですよ?色々遊んだはずですと、涙目でいう

「勝手に想像すんな。俺はどっちでも杏が好きだから関係ない」
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