愛は惜しみなく与う②
「あーはいはい。わかりましたよ」
叩かれた背中を少し気にしながら新が立ち上がると、風呂場のドアが開く
「さっぱりーーー!頭もすっきりーーー!」
笑顔満点の杏
その杏を優しい目で見る泉を、新はこっそり眺めていた
「よし!今後のことを話そう。頭の整理もできたし、皆んなにも話しておきたいことがある」
杏濡れた金の髪から、水が滴るのも気にせず2人の元へ歩く
ふわりと風呂上がりの良い香りが鼻をかすめ、身体があったまり、頬が赤くなっている杏を2人は見る
窓の外は、雨の気配はしない
あんなに土砂降りだった雨も今は止み、初夏の夜を感じれる
「全部話してくれ。言う必要ないと思うことでも、なんでもいいから」
「うん、わかってる。ありがとう」
笑顔で2人の手をとり、ニコニコと微笑む彼女をみて、やべぇ可愛すぎると泉は思い、そう思ってるだろうなと想像する新も、笑っていた
守りたい、この笑顔を
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