愛は惜しみなく与う②


「だがしかーーーーーし!!」


大きな声を出して2人を振り返ると、2人ともビクッとして目を丸くする



「今回こういう紙が女の子から届いたってことは、これはレアや。もう経験できひん思ってたこの感じを…あたしは味わえるんや!」



「何言ってんだ?」

「……泉、どうします?」


コソコソ話す2人は置いておいて、紙をもう一度見ると、放課後に一人で屋上にこいと書いてある。

ふふふ



「おもしろ展開やな!ちょっとあたし、今日は放課後用事あるし、先帰ってな!」


どんなんされるんやろ
女の子って何人くるんやろ
 
あたしのイメージでは5人くらい


紙を握りしめて教室に戻る








「あ、あの?」

「何も言うな。言いたいことは分かる」

「……心配して5日間も監視してた私達って、いったい…」

「だから言うな。虚しくなるだろ…

こういった女子からの呼び出しくらって、目をキラキラさせるのは、世の中に杏ひとりだけだろう」


心配していた男達二人は
ポツリと廊下に残されて、二人して天井を仰いだ


………
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