愛は惜しみなく与う②

全員特に気にせず、わかったーと言い帰ってゆく

響は下を向いたまま


「大丈夫。もうみんな居ないから。いつくらいからだ?」

「……教室で…長谷川見てたら、たまになった」

「そうだよな。ごめん、気づかなくて」

「ちがう!大丈夫なんだ、もう。杏があいつをぶっ飛ばしてくれたから。でも…怖くて」


震える響の頭に手を置く

あの事件の後遺症といえばいいのか。


女と同じ空間にいると、たまに響は発作を起こした。
杏が烈火にいるようになって、杏の家で飯を食べて…

あまり響が初めから反応しなかったから、油断していた


「香水かな」


弱々しく笑う響

あの黒蛇の女と共通点があると、そういう記憶がよみがえる。まぁトラウマになるのは分かる

杏は、香水もつけないし、あんな派手な化粧もしないし

だからきっと、杏と初対面でも、発作は起きなかったんだろう


「薬はあるか?」

「うん。泉の部屋にある」

「とりにいくか」


久しぶりに響と朔と住んでいた家に行く。
やはり…
響と長谷川を一緒に居させるのはダメか

旅行どうしようか
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