愛は惜しみなく与う②
楽しそうに笑顔で話してくれる
「朔も慧も杏が好きだろうけど、やっぱり杏と合うのは泉だよ」
「何を根拠に…」
杏を好きな奴は俺らだけどは限らないだろ?こう言う話の時、いつも杏の執事の志木ってやつの存在がチラつく
はぁ
「俺は、杏の家のことが解決しない限り、気持ちは伝えないよ」
「なんで?」
「……思いを伝えて、杏の重荷にしたくない」
そして響も気づいた。
そうか、杏は婚約者がいるんだ…と
優しい杏のことだ。きっとそう言う事を知ってしまうと、気にしてしまうに決まってる
「俺はそばにいてやれれば良い」
「えー……朔と慧にとられたらどうするの?」
「それはムカつくから、そうならないように邪魔するかな」
ついつい笑ってしまった
こんな子どもっぽい事したいわけでは無いけど、朔と慧が相手となれば、そこは全力で阻止する
「寂しい時に、頑張らなきゃいけないときに、1番に頭に浮かぶような、存在になりたい」
そう
俺の願いはそれだけだ
陽が傾いた帰り道を、他愛もない話をしながら、歩いた
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