愛は惜しみなく与う②
こうして旅行の前日にあたしは泉と一緒に、美容室に行くことになった
暑いし、とりあえずワンピースに着替えて軽く化粧をする
泉はゆるいTシャツにジーパン
何でこれで男前に見えるん??
Tシャツとジーパンやで?これがイケメンのスタイルええやつの特典か
じーっと見ていると、泉は首を傾げていた
「足長いな!」
「そーか?」
長いやろ、どう見ても!
でもいつもあたしの歩幅に合わせてくれるから、泉はのんびり歩いてる
美容室は歩いて10分くらいらしく、歩いて行く
「あっついなぁ」
「そうだな」
そういえば、泉はあんまり喋らへんかった。なんかある時はすんごい喋るけど、基本何もなけりゃ返事ばっかり
まぁええねんけど
「明日楽しみやな!」
「あぁ。きっと想像より楽しい」
ふふ
泉も嬉しそう
そして少し人通りが多くなると、久しぶりの出来事が起こった
「……路地入るぞ」
「うん」
前から数人
後ろに1人
あたし達を囲もうとチラチラみる影がある
人通りの多いところでは迷惑がかかるから、路地に入る