愛は惜しみなく与う②

これでおあいこな?

って手をパンパン叩いていう

おあいこ?あぁ、あたしに殴りかかったし?
まぁ、当たってへんかったけどな?


「くそ!相変わらず理不尽の塊だぜ!」


……セリフが雑魚キャラすぎひん?
泉は飽きたのか、はぁとため息をついて地面の砂を眺める

えええ…


「で?なんだ?俺ら用事あるんだけど」

「あ、あのだな!恥ずかしい話、最近俺らのチームは弱くなった」


……で?

言いにくそうにモジモジする男に泉がガンを飛ばすと、早口でこう言った


「お前らのところの西の奴らが、こっちに流れてきてんだよ!」


といいますと?
どういうことかと頭を捻っていたら、泉はさっきとは少しちがう顔で男に訊ねた



「被害は?」


「……多い。俺らのチームだけじゃねぇ」


被害
その言葉が何を指すのかピンとこなかった


「烈火は?変わりなしか?女が入ったって噂だけど、まさかそいつ?」

チラリと泉はあたしをみて、そして、違うと答える

ここは、あたしは大人しくしといたほうが良さそうやな


まぁいいさ。そう男は呟く
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